令和4年12月30日 文責(長沼)
恒常性維持機構(ホメオスタシス)
- 人間は生物であり、海に生まれた37億年の歴史をもつ「いのち」の末裔であり、身体を構成している37兆個の細胞たちは「いのち」の原理で生きている。
- それは活動依存性であり、細胞が作り出す生命エネルギーで維持され、同化(産生)と異化(分解)を繰り返しながら、アクセル(促進)とブレーキ(抑制)を巧みに使いながら、常に変化して生きている。
- 細胞で起こっているのは化学的反応であり物理的反応であり生命反応である。きわめて動的に揺らぎながら恒常性を保っている。
- 生物は、環境ストレスすべてに反応する恒常性維持機構(ホメオスタシス)を作り出し、ストレスで乱されながらも維持しようとしてカラダは動いている。
動的平衡維持機構(アロスタシス)
- 脳は予測することで自己が経験する世界を構築する。それは身体の外部からの情報ばかりではなく、内部らの情報(内受容感覚)に対してでも起きる。
- 内受容感覚とは、体内の細胞から発せられるシグナル伝達物質や生命エネルギーを通して得られる感覚情報である。
- アロスタシス維持機構(動的平衡)とは、外部からの刺激に対して体内環境が崩れないように安定性を維持するストレス反応である。
- 脳には身体のエネルギーの消費や補給を管理するため、常に身体のエネルギー需要を予測し、見積もっている身体予算管理システム(内受容ネットワーク)がある。
- 身体が慢性の過剰なストレスに晒らされる(アロスタティック負荷)ことで、内受容ネットワークに誤作動が起き、身体内部情報に無感覚になり過剰な引き出しが止まらなくなってしまい恒常性維持機構の崩壊が起きる。
脳と心と身体:(カラダ)
- 人間は、脳と心と身体がひとつになって動く「カラダ」として生きている。脳と心と身体は、それぞれに受信器と発信器と効果器の役割を持ち相互作用している。
- 周囲や内部や異次元の環境変化を感じながら敏感に応答し続ける細胞小器官の微細な揺らぎが、私たち「いのち」の本質にある。
- 人間は脳と心を持ち「考える葦」となったが、アロスタティック負荷により、時に身体内部情報に無感覚になり、身体外部情報や異次元情報に引き寄せられ身体を置き去りにしてしまう。
- リアルな現実や身体を無視した勝手な予測や思い込みを立て妄想するようになる。今この時ではなく過去や未来の記憶情報に振り回されることになる。
全遺伝情報解析後(ポストゲノム)
- 人間は3次元に縛られながらも、高次元にも通じることができる存在である。どのようにして高次元に通じるのかについて、自らの身体という宇宙を科学する必要があり、自分の身体に生きる細胞たちの生き方から学ぶことが必要である。
- 約20年前、国際プロジェクトがゲノム(全遺伝情報)の解読完了を宣言したが、今年3月末に米国などのチームが、ゲノム全体の約8%残されていた部分を解読し完全解読に成功したと発表した。
- ポストゲノム時代の現代、遺伝子領域や制御領域の認識、それらの役割の解明などを進められており、生命科学研究において遺伝子レベルの解析はなくてはならないものになっている。
遺伝子制御(エピゲノム)
- 遺伝子とは、細胞で作られる特定のタンパク質の設計情報が記録された領域でヒトでは0~2.3万個ある。個体の発生や分化は、ゲノム(DNAのすべての遺伝情報)の配列変化ではなく、遺伝子発現の変化により引き起こされる。
- 同じ個体の細胞は基本的に全て同じゲノムを持っているが、遺伝子DNAの制御メカニズム(エピゲノム)が何らかの原因で変化すると疾病につながる。
- エピゲノムは生まれた後も、放射線・電磁気・化学物質・物理的エネルギー・生体エネルギー・その他の要因によって変化し、それによって遺伝子の使い分け方が変わり身体が変化する。
- この最先端の細胞科学を、人間自身の心身のとらえ方、生活習慣の改善に活かすことが大切である。
見えないカラダ(生体エネルギー場)
- 人間には、「リアルな身体」とつながる電磁的エネルギー場としての「見えないカラダ」があり、その歪みが自己治癒力の流れと関係している。
- カラダのストレスは、生体エネルギー場の情報の流れにも影響を与え、幼少期のトラウマ記憶や思い込みなども、エネルギーをアンバランスにしています。
- この「見えないカラダ」レベルに歪みや乱れが積み重なると、最終的には病気など、心身に不調としてあらわれてくると考えられています。
- 生体エネルギー情報の測定には、さまざまなものが開発されているが、そのなかでメタトロンはロシア人科学者によって開発されたエントロピー測定機器。人間の発する周波数の波動と外部から発せられる波動を共鳴させることで病気や体調不良の原因を類推できる。
高次元とつながる(アセンション)
- ストレスは細胞レベルですでに起きているが、細胞はストレスによって生み出されるストレス物質を消去する仕組みを持っている。
- 現代生活は、座業中心の仕事が中心になっているので、身体の細胞たちは、適切な物理的な、動的な環境刺激をもらえない。カラダの「いのちの営み」を肌で感じることがないと身心が分離してしまう。
- 「心身一如」というように、脳と心と魂と体と食は切り離せない。インド伝統医学の「プラーナ」「チャクラ」、中国伝統医学での「氣」「経絡」、ロシア伝統医学の「波動」などで言われてきたように、人間は古くから「目に見えないカラダ」を感じ、高次元とひとつにつながりあっていることを感じてきた。
- 高次元とつながる人間本来の在り方でいられるとき、人間は自然に健康に自由に過ごせる。すべての病気は、カラダの自然な流れのブロック(抑圧)から生まれる。恒常性維持機構が崩れた時、物事は順調にいかなくなり、生きづらさを感じざるを得なくなる。
慢性炎症(キラーストレス)
- カラダへの慢性過剰なストレス(キラーストレス)は、恒常性維持機構(ホメオスタシス)を狂わせ、隠れた免疫性の炎症反応を引き起こし、脳も身体も慢性炎症状態に進んでいく。出口のない心配事を悩み続けることは、細胞たちを自然消滅や無限増殖に向かわせる。
- 多くの疾病が、遺伝的素因をもとに、悪性の生活習慣が環境要因となって潜在的に発症し、最後のアロスタティック負荷が決定誘因となって発病してくる。発病したときには、エピゲノムにまで異常が起きていて、容易には恒常性維持機構を取り戻せない。
回復(リカバリー)
- 細胞の非常事態を脱するには、腸内環境を整え、早寝早起きし、お風呂に入り、適度な運動をし、身体を温め、ぐっすり眠り、質の良い食事をし、思いっきり笑い、免疫力を高めること。何よりもやり続けることが大切である。
- これが一時的な満足に終わるか、地道な努力を積み重ねるかは、腹から自然に湧いてくるような意思や意欲に左右される。これを得るには、縄文に学び、太陽意識を持ち、中道を生き、腹を決め、直観を磨き、情報を高めることが必要である。壊れたカラダは専門家に任せておくだけでは回復させるのは難しい。